有給休暇は2年以内に。年5日は会社(使用者)の義務
入社から半年が経過すると10日間の有給休暇を付与することが法律で決まっています。
例えば、4月に入社した社員については、10月1日に有給休暇10日を付与。
その1年後の同日には11日を付与します。
有給休暇は2年間有効なので、1年間で1日も取得しなかったとすると、2年目の10月1日には21日の有給休暇の権利を所持することになります。
ただし、3年目の9月末日になると時効が発生するので1年分は消滅、10月1日に所持する有給休暇は理論上11日+12日=23日となります。
実際には、10日以上の有給休暇を所持している労働者には、年5日を取得させることが会社の義務となっているので、2年目の10月1日に21日残っている、3年目の10月1日時点で23日残っていることはあり得ません。
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdfより
有給休暇の5日分は計画付与が可能
取得させる義務のある5日については、取得を促進するために計画付与が可能です。
本人の希望を聞いて、あらかじめ5日分をいつとるのか労使協定で決めることができます。
お盆休みを一斉に取得させる、順番に取得させる、夏の公休日の前後に有給休暇をプラスして夏休み休暇とするなどを定めている会社もあります。
なお、5日間の取得をさせないと、労働基準法違反になり、1人につき30万円以下の罰金とされています。
また、計画付与は就業規則に記載しておく必要があり、記載していない場合は30万円以下の罰金が定められています。
所定労働日数の8割が条件
入社から6か月経っていて、所定労働日数の8割勤務していることが付与の条件です。
土日祝日が公休日となっている場合、
月平均の労働日数は20.5日なので、年間(12か月)では246日。
この8割では約197日。年50日(おおむね2か月)欠勤すると付与の対象外です。
産休・育休と仕事中の労働災害により働けない日数は出勤とみなされます。
産休・育休が終わって出勤するようになった際にも、復帰時に有給休暇が付与されるということです。
ちなみに通勤中の労働災害による欠勤は、欠勤としてカウントされます(労災補償の対象にはなります)。
次の記事では「アルバイトの有給休暇の考え方と時間単位の年休取得」を解説します。