1年間の社会保険料を決定する算定基礎届の準備を
算定基礎届とは、4月から6月の従業員の報酬金額をもとに、その年の9月から1年間の社会保険料(健康保険・厚生年金保険・介護保険)の基本となる標準報酬月額を決定するために日本年金機構に提出する書類。この届け出により、従業員の社会保険料が算出されます。
標準報酬月額には、基本給の他、時間外手当や、各種手当、通勤定期券などが含まれます。
従業員ごとの給与総額をその期間の月数(通常は3ヶ月)で割り、平均月額を求めます。この平均値をもとに、社会保険で定められた標準報酬月額の区分表に照らし合わせて、各従業員の標準報酬月額を決定するのです。
4・5・6月に支払われた報酬に、6か月の通勤定期券が含まれていたら、3か月について合算し、平均月額を求めるなど、従業員一人ひとりについて細かく確認する必要があります。
税理士または会計担当者と連携して仕事することも増えます
しかし、給与の締日が毎月25日だとすると、6月分の給与が確定するのは、6月25日。
社会保険料の算定基礎届の提出期限は7月10日なので、タイトなスケジュールとなってしまうわけです。
ただ、同じ時期に年金事務所では社会保険料納付の調査をしていて、その調査は7月10日以降も継続しているため、この期日はそれほど厳密ではありません。
例えば、「標準報酬月額が違っているのでは」という指摘を受けると、理由があってその月額となっている場合には説明を行うなどの対応をします。
期日遅延について罰則もありません。
とはいえ、給与の支払いは毎月のことなので、標準報酬月額の算定が遅れ、徴収時期がずれると手取り額が大きくばらつくなどして混乱を招きかねないので、期日を守ることは大切です。
7月10日は、労働保険の年度更新・納付の期日でもあります。
これについては次の記事で解説します。
参考
定時決定(算定基礎届)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20121017.html