メインの報酬支払企業で満額の社会保険に加入していても・・・
このところ、東京では年金事務所による社会保険(健康保険・厚生年金保険)加入状況の調査・指導が徹底して行われています。
まずは基礎知識のおさらい。
健康保険・厚生年金保険は、事業所単位で適用されます。
日本年金機構のHPに、次のように記載されています。
○強制適用事業所
健康保険・厚生年金保険の適用事業所となるのは、株式会社などの法人の事業所(事業主のみの場合を含む)です。また、従業員が常時5人以上いる個人の事業所についても、農林漁業、サービス業などの場合を除いて厚生年金保険の適用事業所となります。被保険者となるべき従業員を使用している場合は、必ず加入手続きをしなければいけません。
企業(事業所)から報酬が支払われているなら、加入が原則です。
たとえば、会社(事業所)に役員しかいない、かつ、役員報酬は支払われていないという場合は加入の対象外。
代表取締役としてわずかにでも役員報酬が支払われているというケースでは加入が必要で、複数社から報酬が出ている場合は報酬を通算し保険を加入しなければなりません。
1か所で標準報酬の上限まで報酬を得ている経営者は?
そうは言っても、2か所以上の経営者の場合、「メインの報酬支払企業(事業所)で上限額まで社会保険に加入している」なら良いのでは?と思うかもしれませんが、認められません。
このあたりも徹底されているようです。
まず、代表取締役(代表取締役会長・社長)として報酬を得ている場合は、報酬を得ているすべての会社(事業所)で加入が必要。
定期的に出社していない(=非常勤)取締役という立ち場であれば、加入の義務はありません。
代表取締役が、主たる会社(事業所)で加入していて、上限額まで収めている場合でも、各会社(事業所)で加入の手続きは必要で、上限の保険料を按分して納付する必要があるとされています。
納付総額は上限額で変わりませんが、それぞれの会社で手続きが必要になるということです。 会計手続きが大変ですが・・・。
按分の計算など、お困りのことがあればご相談ください。