吸収合併時にキャリアアップ助成金が活用できた事例

吸収合併時の健康保険・介護保険・厚生年金保険の手続き

同一オーナーがB社をA社に吸収合併することにしたときの話です。

この場合の健康保険・介護保険・厚生年金保険の扱いは次のとおりです。
B社は被保険者資格喪失届と適用事業所全喪届を提出し、A社は吸収合併によって採用となる従業員について被保険者資格取得届を提出します。従業員に扶養家族がいる場合、被扶養者(異動)届の提出も必要です。

添付書類として喪失届には被保険者と被扶養者全員の健康保険被保険者証、全喪届には解散登記の記載がある法人登記簿謄本(コピーでOK)、合併契約書が必要でした。

以上については、下記で確認いただけます。 
https://www.nenkin.go.jp/faq/kounen/kounenseido/jigyonushi/20131108.html

手続きは、新宿区(B社)のハローワークで行うと、渋谷区に連携してくれます。 

キャリアアップ助成金の活用

この企業から吸収合併の手続きとともに、助成金が活用できないかというご相談をいただいていました。

吸収合併にあたり、B社で契約社員として働いていた数人を正社員雇用する計画があり、キャリアップ助成金が活用できる可能性がありました。

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者※の 企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、賃上げなどの処遇改善の取り組 みを実施した事業主に対して助成されるものです。
※パート、契約社員など「正社員以外の従業員」のこと。

【参考】キャリアアップ助成金を受給できる取り組み一覧
【参考】キャリアアップ助成金を受給できる取り組み一覧
https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001128605.pdf より引用

キャリアアップ助成金を受給できる取り組みには、表のとおりいくつかありますが、今回のケースでは①の正社員化が該当します。
 
半年以上(3年未満)雇用した契約社員を正社員(または派遣労働者を直接雇用)にして、給与(直接雇用後の固定的な賃金)を3%以上増額して半年以上雇用すると、1人当たり最大57万円、1年に20人まで助成金を受給できます。
 
キャリアアップ助成金には、キャリアアップ計画届が必要ですが、B社では数年前に計画書を提出し、その際に3名ほどのキャリアアップ助成金を取得していました。
キャリアアップ助成金は最大5年間受給が可能です。
 
調べてみると、このキャリアアップ計画書を合併前に再提出(更新)すると、使えることがわかりました。
 
あまり例のないケースだったため、使えることが明確になるまでいろいろ調べる必要がありましたが、キャリアアップ対象者は10人ほどいたので、金額にして500万円以上の助成金を受給することができます。
ちなみに、キャリアアップ助成金は同グループ内で転籍する場合には使えません。
 
早めにご相談をいただいていたので、キャリアアップ助成金の申請に間に合ったケースでした。
 
助成金の活用をお考えの場合は、是非、早めにご相談ください。

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